満腹感を得たいなら白米や玄米がオススメ

健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子氏が説明する。

「可食部100gあたりで比較すると、製品にもよりますが白米のギャバ量が1mgに対して、玄米は3mg、発芽玄米は10mgも。ギャバにはストレス軽減作用や脳細胞を活性化する働きがあります」

米の一粒には糖質以外にも、食物繊維やタンパク質、ビタミンなどがバランスよく含まれる。米中心の食生活をする成人は飽和脂肪酸や糖分の過剰摂取が少なく、カリウム、マグネシウム、鉄、葉酸、食物繊維の摂取量が多い傾向があるという。

よく噛むことで満腹感が得られやすく、血糖値の上昇も緩やかになる。実際に人を対象とした実験で白米や玄米を取り入れた食事をすると、満腹感と満足感が持続しやすいこともわかっている。

「パンと違って米はいろいろな食材(野菜、大豆、肉、魚など)と相性が良く、自然とバランスが整いやすい面もあるかもしれません。また、米は生鮮食品で、食べるためには水を加えるだけのシンプルなもの。塩分やコレステロールはゼロです」(望月氏)

最強の健康食に見える米も、鮮度が命

さらに米はタンパク質の栄養価が高い。主食といえば炭水化物で、肉や魚といえばタンパク質というイメージがあるが、主食にもタンパク質が含まれる。米はタンパク質を評価する指標の一つ、アミノ酸スコア(必須アミノ酸の配合バランスを示す)が優れているのだ。

「人のタンパク質を構成するアミノ酸は約20種類、体内で生成できない必須アミノ酸は9種類あります。ある食品について必須アミノ酸の含有量がどれくらい満たされているかの指標をアミノ酸スコアと呼びますが、それでみると小麦(薄力粉)が44点に対して、米は65点。パン、麺の原料となっている小麦は、米よりも低いのです」(望月氏)

必須アミノ酸のうちどれか一つでも極端に少ないと、そのレベルまでしかタンパク質を作れなくなる。9種類の必須アミノ酸のバランスがいいことでタンパク質がスムーズに生成されるのだ。

欠点がなさそうな米だが、注意点はある。生鮮食品ということは、言い換えると魚や肉、野菜と同様に鮮度が命。米は日が経つにつれ水分や香り、味わいが減り、品質が落ちていく。