「マジですか?」というくだけたコメントで追及を回避
「僕は(事務所の)中にいた人間なので、分からない。違うとは思うんですけども、ジャニーが一人で(ジャニーズJr.に)対面していくことはとても多かったと思います。僕はそれをほとんどしておりません。周りに何人も大人たちがいますし、(中略)いろんな人たちから情報が集まってきます。
それで『彼にはこういうものが合ってるんじゃないか』『じゃあ、ここをもうちょっと伸ばしてあげようよ』とか。それはやっぱり僕も芸能という世界でいろんなことを経験してきましたから、(中略)いろんなアドバイスができると思うんです。なので、その中で今まで僕は(ジャニーズアイランドの)社長としてやってきた。せっかく関係を築いてきたというところで、そのまま僕が新体制になった時も、副社長として、僕は東山さんを支えながら彼らの育成をやっていきたいと思っております」
社会における組織としての責任の取り方を問われたのに、組織内の論理で回答する。まさに、この日、東山社長が何度も口にし、前回で反省したはずの「内向き」の回答がまたもや出た。井ノ原氏がわざと論点をずらしたのか、質問がクリアではなく、企業ガバナンスの問題だと理解できなかったのかは不明だが、「マジですか?」という言葉には、そう言えば、質問者の問いが的外れだと受け止めてもらえるという計算が見えた。
攻撃的な記者という悪者を仕立て上げて何を守りたかったのか
記者の抗議について「冷静に」「落ち着いて」「もめないで」と言うのも、「記者は冷静でない」「落ち着いていない」「もめごとを起こしている」という印象操作である。ルールを守らない攻撃的な記者というヒール(悪役)に仕立てるマッチポンプのようだった。
それでは井ノ原氏が、論点ずらしと印象操作を行ってまで守りたかったものは何か。前出の回答にもあるように「副社長として僕は東山さんを支える」というロイヤルティーが、最大の動機になっていると思われる。忠誠心を捧げる東山社長が「僕の指導をパワハラと感じた人もたくさんいると思う。井ノ原にも怒ったことがある」と言ったときも、すかさず「そういう厳しさもありましたけれど、今は感謝しております」とフォローしていた。東山社長にとってみれば、こんなに頼もしい右腕はいないだろう。