後期日程や独自日程を知ればチャンスが増える

東大、京大などのトップ国立大学は、後期日程を廃止し、代わりに秋の学校推薦型選抜を実施するなどしており、前期日程で失敗したとしても後期日程で同じ大学に再チャレンジすることができません。そこで、第1志望の大学はもちろん目指して前期日程の勉強はするのですが、高校1、2年生のうちに、それ以外で挑戦できる大学の名前や教育内容を知っておくべきです。

そのため、後期日程を実施している主な国公立大学をご紹介します。伝統ある人文系学部を持っていて私がおすすめなのは、熊本大、鹿児島大、信州大、静岡大、福岡女子大、新潟大、山口大、愛知県立大、北九州市立大、富山大、愛媛大、島根大、神戸市外国語大学の二部(夜間部)、琉球大などです。教育学部も全国にあるので、教員志望の人はぜひとも目指してください。

経済学部は、後述する旧高商系の大学が特に優れています。社会福祉は私立大学に多いですが、岡山県立大、福井県立大、山口県立大などもおすすめです。この他に、独自日程という、前期・中期・後期とは別に受験できる公立大が全国に4つだけあります。秋田の国際教養大、新潟県立大、芸術文化観光専門職大、広島県の叡啓えいけい大です。

秋田の国際教養大は有名ですが、他はまだ歴史が浅く、全国的には知られていない大学です。自分に合うかどうか、他の国公私立大学も含め、よく調べ、比較検討すると良いでしょう。

経済学部志望であれば「旧高商」は狙い目

次に、「旧高商」というくくりの大学群についてお伝えしたいと思います。知らない方も多いと思いますが、経済学の名門大学群です。

旧高商は、戦前に高等商業学校として設立された大学を指します。高等商業学校というのは商業実務家を養成する学校でした。この旧高商は今でも姿を変えつつ残っており、長い歴史と伝統を持っています。しっかり勉強できるうえ、産業界・銀行・大手企業に多くの卒業生がいるので就職も強い。

国公立大学の経済学部は全国にありますが、旧高商は特別です。国公立かつ経済学部志望でどこへ行こうかと迷っている人には、旧高商の大学が特に良いと、強くおすすめできます。

【一橋大学(旧東京高商)】もちろん良い大学に決まっていますよね。説明不要です。

【神戸大学(旧神戸高商)】神戸大学は経済学部と経営学部に分かれて設置されており、全国的にとても珍しいです。いかに商業系の伝統ある大学かということがわかりますね。

神戸高等商業学校正門(1916年ごろ)。(画像=神戸大学百年史編集委員会『神戸大学百年史 写真集』神戸大学、2002年/PD-Japan-oldphoto/PD-1996 (with a reason)/Wikimedia Commons

【大阪公立大学(旧市立大阪高商)】現在の一橋、神戸大、大阪公立大が三高商と呼ばれていました。特に優れた3つの高等商業学校として、戦前からの高いブランドがあります。もちろん、今でも超がつく名門大学です。この3校以外にも、高等商業学校だった大学を続けてご紹介していきます。

小樽おたる商科大学(旧小樽高商)】旧高商唯一の単科大学で、商学部のなかに4つの学科があります。