iDeCoはすぐにでも

では、それぞれの制度はどのように使い、どんな点に注意すべきかをまとめてみましょう。私は、iDeCoはできるだけ早い時期からすぐ始めるべきだと思います。資産形成というのは期間が長ければ長いほど有利になります。収益の変動が平準化されますし、複利効果は長期になるほど大きいからです。それに前述した通り、投資がよくわからないのであれば、まずは定期預金から始めても良いのです。

写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

本来は長期の資産運用であれば投資を活用する方が良いでしょうが、わからないまま投資をするというのはあまり良いことではありません。それでもまず始めるのであれば、定期預金からスタートし、積み立てていくうちに少しずつ投資の勉強もすれば良いと思います。定期預金でも所得控除で一定の利益を得ることはできます。だからこそすぐ始めるべきなのです。

ただ、注意すべき点があります。それは自分が利用できる限度額一杯やるかどうかは慎重に考えた方がいいということです。所得控除があるのだから、目一杯やった方が良いと思われるかもしれませんが、iDeCoは60歳まで引き出せません。これは資産形成にとっては大きなメリットではあるものの、積み立てたお金は途中でおろすことができないわけですから、自分の資産の大部分をiDeCoに注ぎ込むというのはしない方が良いと思います。余裕があれば限度額一杯やるのは良いでしょうが、そうでなければ、まずは最低限の月5000円からでも始めるのが良いでしょう。

来年から使い勝手がよくなるNISA

一方、NISAはあくまでも投資をして利益が出た場合にかかる税金が無くなるという制度ですから、投資をして積極的に資産形成した人であれば、出来る範囲でなるべく多く投資をした方が良いと思います。特に来年(2024年)からは従来に比べて枠も拡大しますし、使い勝手も良くなりますので、長期の資産形成を考えるのであれば、これは積極的に利用しない手はありません。

ただ、NISAにも注意しておくべき点があります。それは以下の2つです。