北欧で生まれた「冒険遊び場」

どう工夫するか。

たとえば街の中に、ここだけは以前の子どもの遊び場のように、規制がなく、自由に遊んでいいところをつくる、というような手がある。そうしたところを徐々にでも増やしていけばいいのである。

実際にそうしてつくられた子ども用の遊び場が日本にはいくつかある。冒険遊び場(プレイパーク)と呼ばれているところだ。

冒険遊び場はもともと北欧などヨーロッパの国々で戦前からつくられ始めたもので、戦後デンマークやスウェーデン、ドイツ、フィンランドなどに広がったものだ。

日本では、その動きに学んだ人々が、東京世田谷区にある羽根木公園の一角に冒険遊び場をつくろうと呼びかけ、区のメンバーも協力して1980年ごろに第一号がつくられた。羽根木プレイパークと呼ばれていて、現在も子どもたちの楽しい遊び場になっている。その後多くの地域でつくられ、現在、日本冒険遊び場づくり協会に登録されている冒険遊び場は350カ所くらいある。

写真=筆者提供
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ルールや規制がなく子どもの自由を保障

冒険遊び場のルールは、ルールや規制がないということ、というところが多い。昔の子どものように、自分で考え、自分で工夫し、自分でチャレンジし、自分で失敗を乗り越える。そこに大人は介入しない。だから責任感や注意力等も育つことが期待されている。写真のようにたき火をするのも自由というところもある。

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もちろん、そこには指導員がいる。子どもを規制するのではなく、危険がないように子どもたちの遊びをよく観察して、必要な援助をする大人だ。遊びの道具やしかけをつくったり、用意したりもする。ドラム缶風呂をつくってわかしたりしているところもあるが、そこは大人=指導員が用意する。実際の遊び場には保護者も同伴していることがあるから、大きな遊び道具、設備は保護者も参加してつくることが多い。