教科書通りではなく、プロジェクトを通して学ぶ
新クラスでは、教科書に沿ったカリキュラムをこなすのではなく、生徒たちが主体性を持って、授業の枠を超えて、さまざまなプロジェクトを立ち上げています。
そこで、今回新クラスを立ち上げた先生にお話を聞きました。その一人が、新クラスのリーダーである福冨高彦先生。理科担当です。
ご自身の授業について開口一番「定期テストのために、赤いシートで答えを隠して覚え、テストが終わればきれいさっぱり忘れるというのが、勉強だと思っている人が多いけれど、忘れるようなことをやっても意味がないので、そんな授業はやりません」と話します。
そこで、どんな授業をしていて、評価はどうしているのかを聞きました。
理科総合で「熱気球を作って空に上げる授業」をした理由
「例えば、理科総合では、熱気球を作って空に上げるという授業をしました。ただ上がればいいというのではなく、なぜ上がるのかを考える過程で、化学や物理の総合的な知識を駆使し、設計理論を数式を使って証明するところまで学ぶことになります。このように、教科書に沿って進めるのではなく、その単元で手に入れてほしいことを生徒と共有し、総合的に学んでいくのです。
評価については、授業内容の延長を定期テストに出すようにしていますし、その本質が理解できているかどうかを見ます。また、プレゼンや提出物、授業での取り組みなども含めて評価します。ただそこは、漠然としていてはいけないので、評価基準のルーブリック(評価基準表)を事前に生徒と話し合いながら取り決めていて、それぞれの基準に従って評価します。
授業の評価は、私の場合は、教室でも全員Zoomに入ってもらい、質問に対してプライベートチャットで解答してもらい、その発言も点数化しています。だから、寝るわけにはいかない(笑)。途中でネットから落ちてしまった生徒が、後から必死にその質問の答えをポストイットに書いて持ってきたりします。こうして全員とやりとりをすることで、授業をしながら生徒の理解度を確かめ微調整できますし、私自身が授業をブラッシュアップしていくことができます」(福冨先生)