こんなキャスティングしていれば、みんな配信系に流れる…

ちょっと脱線。視聴者のテレビ離れが加速中だが、本当に深刻なのは俳優や脚本家のテレビ離れだ。徐々に、でも着実に、NetflixやAmazonプライムなどの配信系に流れている気がする。

配信の日本オリジナルドラマの数も増えてきた。実際に、私も山田孝之の枠をとっぱらった演技が観たくて、Netflixに加入した。

地上波は設定や描写に制限があり、医者と刑事と弁護士の勧善懲悪モノばっかり。手術と捜査と裁判が多すぎる。もちろん大手事務所主導の偏向キャスティングにも問題がある。そりゃあ役者も離れますって。そんなことを踏まえて6位から。

6位 東山紀之『刑事7人』(テレビ朝日系)
出典=『刑事7人』公式サイトより

テレ朝シリーズものにしては部署名やレギュラーメンバーが変わりすぎで、最も疑問がある作品。

その中で主役・ヒガシの凄腕設定だけは永久保証。当初は遺失物センターっつう閑職に追いやられた変人とか、妻子を失った喪失感などの特徴があったけれど、もうすっかり払拭。

特筆すべきものが何もなく、平坦さしか出せていない。それどころか新規設定で「元SAT」、アクションも始めちゃってね。

そもそも「刑事7人いる? 6人じゃね? 北大路欣也は医者だよね?」とタイトルから疑問だったし。テレ朝が魂を売り飛ばしてきた経緯が、この作品に凝縮。

演技もさることながら作品の内容に問題がある

5位 泉里香『高嶺のハナさん』(BSテレビ東京)

普段はクールで有能だが、恋愛偏差値が低すぎる女性の役。そのギャップを愛でる趣向だが、心の声があまりに稚拙というかアホすぎて腹立たしかった。

泉のもつコメディ筋肉は割と好きだが(『海月姫』のやり手営業役では、画面に顔をしれっと残す芸風が最高だった)、この役はどうにもこうにも。初主演作がこれで大損。