私が実践している「黒カビの撃退法」

黒カビのサイズは、およそ5ミクロン(1000分の5ミリ)なので、1000個集まると5ミリほどになります(あくまでも単純に考えた場合の話です)。

つまり5ミリほどのカビがあったら、そこには1000個の胞子があるということです。その胞子は、飛んでいくし、増えていく。だから、それをないがしろにしてはいけないというのが、カビ対策の基本的な考え方です。

具体的には、カビを発見したら、いわゆる「カビ取り剤」を使うのが便利です。見えているカビというのは胞子の量が多く、アルコールではいき届かないのです。

カビ取り剤は、塩素系(次亜塩素酸)の漂白剤が主成分のもので、薄めずにそのまま使えるタイプや、液が垂れないよう泡状になっている便利なタイプが市販されています。

それでも垂れてくるため一般的にはペーパータオルでパックするようにして定着させますが、私が実践している「黒カビの撃退法」は次の方法です。

松本忠男『病気がイヤならその掃除をやめなさい。』(河出書房新社)より

風の通り道を意図的につくる

前にも話しましたが、窓を開けるだけでは空気は循環しません。風の入り口と出口があって初めて、風が通るようになります。ところが、部屋全体に風を回すことはとても難しいのです。

わかりやすい例として、浴室を考えてみましょう。浴室にはたいてい換気扇が付いています。付いていない家なら窓があるでしょう。そしてみなさんは、換気扇を回したり窓を開けたりして、浴室の換気をおこなっているはずです。

このとき、一般的には浴室の中心付近から乾きはじめます。なぜならそれは、中心付近には空気の動きを遮るものがなく、空気がもっとも動きやすいからです。しかし、隅っこのほうはなかなか乾きません。それは、そのあたりの空気が動いていないからです。

そして、そういう場所にカビが生えやすいのです。このように、狭い浴室でさえ風が回らないのですから、広くて、家具やモノが多い部屋では、空気が均等に循環されることはない、とわかるでしょう。

だからこそ、風の流れを考えて、通り道をつくることは必須です。

風が流れないような場所には、扇風機などを使い、定期的に風を回してあげることも大切です。