私はこれまで、さまざまな講演会に呼ばれたが、そういう場ではたいてい最後に質疑応答の時間がある。講演内容をさらに掘り下げる鋭い質問を受けることもあるが、ときに予期せぬ質問や少々的外れな質問のケースもあり戸惑う。

そのようなときどうするかというと、自分が得意とする「日本語」「話し方」といった内容に強引に引っ張り込み、答える。

自分の土俵に話を持ち込み、そこで私にしかできない視点で話を掘り下げることで、私独自の視点からの話題を提供することができると、聞き手も満足してくれる。

ビジネスのプレゼンの場などでも、同じことがいえるだろう。自分の得意分野に引きつけて答えることが、アピールにつながるのだ。

「自分も、相手も得をする」がベスト

樋口裕一『頭のいい人は「答え方」で得をする』(だいわ文庫)

一尋ねて一答えてもらうのは、相手は当たり前だと思っている。しかし、一尋ねて意外な「切り口」から答えをもらうと、相手は「得した」と思うものだ。相手が得だと感じるのだから、そう思わせた答えた側はもっと得をする。

うまく答えただけで、「なかなか鋭いじゃないか」「おもしろいことを言う人間だ」と、思わせることができるのだ。

「切り口」は無数に存在する。そのどれに焦点を当てるかで、答えの質は大きく変わる。

ただ、「切り口」があまりにも偏った目線だったり、独創的すぎると、「聞きたいのはそういうことではないのだが……」と相手を困惑させてしまうので注意が必要だ。

▼どんな質問も自分の持ちネタに引き寄せれば、的確な答え方ができる。
▼シンプルな「ジャンル」答え→オリジナリティあふれる「切り口」答えへ。

関連記事
あいづちの語彙量が多い人は知っている「相手に同意できないとき」の絶妙な"切り返しフレーズ"
会議で重箱の隅つつく「めんどくさい人」を一発で黙らせる天才的な質問
ブッダの言葉に学ぶ「横柄でえらそうな人」を一瞬で黙らせる"ある質問"
「BTSの誰が好き?」全く興味のない質問に対する"最強の切り返しフレーズ"
電話オペレーターの神ワザ…「できないものはできない」を肯定表現に変える"あるひと言"