「長男の嫁」と「次男の嫁」

以前、「眞子さま駆け落ち婚で“母の評価”が逆転、紀子さまと雅子さまの『子育て』シーソーゲーム」でも書いたように、雅子さまがバッシングされている間、次男である秋篠宮家は相対的にうまくやっているように見えた。

当時の皇太子妃殿下が長期の静養を続けており、いわゆる「人格否定発言」についてどう思われるのかという記者の問いかけに対して、秋篠宮は「少なくとも記者会見という場所において発言する前に、せめて陛下とその内容について話をして、その上での話であるべきではなかったかと思っております」と苦言を呈した。そのうえで、「東宮御所での生活の成り立ちに伴う苦労ですね、これは私はどういう意味なのか理解できない」と発言されている。

つぎに「主に私というよりも家内に関係するのかなと思います」と水を向けられた紀子さまは、「結婚してからの生活は、新しく出会う務めや初めて経験する慣習などが多くございました。どのように務めを果たしたらよいか、至らない点をどのように改めたらよいかなど、不安や戸惑いなどもございましたが、その都度人々に支えられ、試行錯誤をしながら経験を積み、一つ一つを務めてまいりました」と述べたあと、上皇夫妻と秋篠宮に感謝を述べたが、雅子さまに対する同情や理解の言葉はまったくなかった。皇位継承の可能性が少ない宮家は、それ相応の苦労はおありでも、「長男の嫁」のようなプレッシャーは少ないのだろうなと推察した次第である。

雅子さまに浴びせられた罵声

一方、病気で御静養中だった雅子さまには、心無い言葉が投げつけられていた。お出ましのときに、「税金泥棒」という罵声が浴びせられたという報道には、さすがに胸が痛んだ。適応障害という心の病であるのに、「公務をしない」「ワガママ」といった批判が上がるのは、一線を越えて行き過ぎではないかとも思われた。

察するに、中学生だった眞子さんは、こうした事態を目にして心を痛め、トラウマになったということなのだろう。一時金を辞退することを考えていたというのは、雅子さまに向けて発せられた「税金泥棒」という誹謗中傷が、心に刺さったのかもしれない。

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