女性からのセクハラも絶対ダメ

【岡田】私は小林賢太郎さんのホロコーストネタ問題が印象に残りました。かなり昔のネタですが、ちゃんと調べないまま選んだ人が悪いと思います。以前、韓国のアイドルグループのBTSが、原爆みたいな模様が入ったTシャツを着たり、ライブでナチスみたいなマークが入った旗を振ったりしたとき、ネット上でものすごく批判されたんですよ。前にも同じようなことが起こっているのに、そういうニュースを知らないのかな。

【山崎】私は橋本聖子さんが組織委員会の会長に就いているのが信じられません。以前、フィギュアスケートの高橋大輔選手へのセクハラは、写真もあって証拠があがっているのに、今も会長のままだなんて。森喜朗会長の女性蔑視発言は、そういう時代に生きてきた人だからしょうがないなって思う部分もあるんですけど、セクハラは絶対ダメ。橋本会長がもし女性だからという理由で許されているんだとしたら、逆に女性が軽く見られている証拠かなと思います。同じ女性としてもっと頑張っていかなきゃと思いました。

写真=時事通信フォト
閉会式であいさつする東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長(右)、左は国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長=2021年8月8日、東京・国立競技場[代表撮影]

努力されるべきところがされていない

【鈴木】僕は、日本が招致のときに気候のことで嘘をついていたっていうのが衝撃でした。東京の夏は温暖で、アスリートがパフォーマンスを発揮できる理想的な気候だって。もちろんそんなわけなくて、始まってみたら猛暑続きで最終的に選手にしわ寄せが行ってしまった。選手がかわいそうすぎて憤りを感じます。

【土井】僕もやっぱりアスリートをいちばん大事にしたいので、試合環境が悪いのはよくないと思います。その点では、トライアスロンやオープンウォータースイミングの選手が泳ぐ東京湾の水質や悪臭問題が心配でした。その辺を改善するってことで招致が決まったはずなのに、直前まで懸念するニュースが流れていましたよね。招致決定から開催まで時間は十分あったのに根本的な改善はできなかったみたいで、努力されるべきところがされていないという印象を受けました。

【原田】今の若者は比較的倫理観が高くて、嘘や差別、いじめ、環境問題などに対しては厳しい目を持っていますよね。五輪自体は見るし選手も応援するけれど、それとは別に問題を感じた点もたくさんあったと。その辺りは今後、若者も含めて国民全体で追求していく必要がありますね。