不平等だけど、世界には正義も優しさもある

ここで、残念なお知らせがあります。うすうす気づいていたことかもしれませんが、いまの世界は、不平等にできています。どれだけがんばっても、結果が出ないことがあります。また、仕事には、儲かる仕事と儲からない仕事があります。

割のいい仕事と、割のよくない仕事、きれいな仕事と汚い仕事があります。いい仕事をしたら、必ず報酬がよくなるということもなく、下請けに仕事を丸投げするだけで、何倍もの利益を得る会社もあります。

そう、世の中には、理不尽なことや不正義がまかり通っているのです。たとえば大企業と中小企業では、利益率が違います。

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同じものを売ったとしても、仕入れの条件が小さい企業には厳しく、大企業には有利になっているからです。

本当は、どちらも同じ条件でなければ、フェアではありません。どうしても差が出るということなら、中小企業のほうを優先するほうが公平だと思いませんか?

なぜ大企業のほうが有利なのかといえば、より大口の優良顧客を優遇するのがビジネスの基本だからです。小さいより大きい会社のほうが、注文数も多くなります。つまり、いいお客さんになるわけです。

個人レベルでも、たとえばホテルにたくさん泊まるゲストほど、サービスがよくなります。朝食をつけてくれたり、部屋をグレードアップしてくれたりします。いい部屋に泊まれるぐらい余裕のあるお金持ちだから、そんなサービスをしなくてもいいはず。でも、世の中は、そうなっているのです。お金持ちが、どんどんお金持ちになるのは、そういう面でも有利になるからです。

「倍返しだ!」の「半沢直樹」がウケるのも、必ずしも正義が通らない世の中だと皆が知っているからでしょう。けれども、やはり正義はあって、ズルいことや不正をしていたら、いつか露見してその制裁を受けるものです。

短期的にはごまかせても、長期的に見れば正義はある、と僕は思っています。心を尽くしてラーメンをつくっている人は、すぐに大きなお金を儲けることはできなくても、必ずその誠意や努力はむくわれるものです。成功する分野は、ラーメンではないこともあるかもしれませんが、どこかで花は開くと思います。本当によいものをつくろうと努力していて、悲惨な人生になったという人を僕は知りません。

もちろん、がんばったら誰でも評価されるほど、世の中は甘くありません。

そうかといって、その努力がまったく無視されるかといえば、そんなことはないというのが、これまで多くの人を見てきた僕の結論です。