地方分権を進めることは地方の政治家の身分が危うくなることでもありますから、自民党の力が強すぎるうちは難しいでしょう。都構想のその先の、東西二極・地方分権を実現させるために、日本維新の会としてはぜひ国政において存在感を強めることを目指していきたいと思います。
そうとはいえ、僕が言うのもおこがましいですが、新しく発足した菅政権は維新の会に近いところがあり期待を寄せています。菅氏は秋田から出てきて地方議員を経験し、派閥政治の自民党の中で無派閥を貫きたたき上げで首相になられた方。だから非常に目線が国民に近く、それは最初に行う政策が携帯料金の引き下げという点にも表れていますね。既得権益を持っているところに切り込みを入れていこうという方向性が、維新の会と同じなのです。
ただ、自民党内外に多くの族議員もいる中で絶対に抵抗勢力に遭うわけですから、本当に改革が実現していくかきちんと見ていかなければなりません。菅氏は大阪都構想の法的根拠となる大都市地域特別区設置法成立を推進した大都市問題に関する検討プロジェクトチームの自民党座長を務めていましたし、大阪府・市の二重行政が問題であることもかねて発言しており、都構想や地方分権について前向きな点は心強く感じています。
大阪が東京と並ぶためには
都構想が実現すれば、東京に並ぶ成長都市となれるよう、大阪の個性を最大限に発揮できるような都市づくりが必要になります。大阪の強みといえば、まずはアジアとのつながりの強さです。24時間空港の関西空港もありますし、歴史や食、経済性も海外の方から非常に人気が高いので、インバウンドの伸び率も東京より大阪のほうが圧倒的に高い。近隣に京都や奈良といった歴史的なエリアもあり、関西におけるアジアからの玄関口として大きな役割を果たしています。
また、ライフサイエンスの分野も非常に強く、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り出した京都大学の山中伸弥教授の出身も大阪ですし、万博も「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げています。それらの東京とはまた違った個性を発揮することによって、大阪も「選ばれる都市」になれる力があると思っています。