名簿を本当に廃棄したのかどうかさえ裏付けできない
毎日社説は続ける。
「いずれにせよ重大なのは、これまで『適切だ』と繰り返してきた対応の誤りを認めた点だ。記録がなければ名簿を本当に廃棄したのかどうかさえ裏付けできない。政府は招待者が急増した点に対し、『既に名簿を廃棄したので分からない』と明確な回答を拒んできた。その弁明が根底から揺らいでいるということだ」
招待者の名簿はまだ廃棄されていないのではないか。これまでも「ない」とされてきた記録が後になって出てきた事例はいくつもある。毎日社説は指摘する。
「結局、首相との関わりを否定しようと、その場しのぎのような説明を重ねてきたからではないのか」
安倍首相の機嫌を取ってさえいれば、自分の身は安泰だとの考えが政権内にはびこっている。「安倍1強」「長期政権」の弊害である。官邸中心の政治を変えない限り、多くの弊害が起き、やがては日本という国を滅ぼしかねない。毎日社説は最後にこう訴えている。
なぜ、「桜を見る会」のような問題が起きるのか
「首相は先日のNHKインタビューで『反省し、全般的な見直しを行わなければならない。公文書管理を徹底していかなければならない』と語った。だが、なぜこんな事態に陥ったか。肝心な点には口を閉ざしたままだ」
「税金の私物化が指摘されるこの問題は、通常国会では引き続き大きなテーマとなる。首相はまず当事者意識を持つことだ」
なぜ、桜を見る会のような問題が起きるのか。沙鴎一歩も安倍首相自らが答えてほしいと強く望む。1月20日から始まる国会での安倍首相の答弁に期待したいが、これまで私たち国民は散々裏切られてきた。
「公文書管理法は、保存期間が1年以上の公文書について、公開される『管理簿』に名称や保存期間などを記載するよう義務づけている。ところが、招待者名簿は保存期間が1年とされていた13~17年度、全く記載がなかったうえ、廃棄の前に必要な首相の同意を得ず、政府のガイドラインが定める廃棄の記録も残していなかった」
朝日新聞の社説(1月15日付)はこう解説した後、次のように指摘する。