実際に、笑うことで「ナチュラルキラー細胞」という、癌などの悪性物質を倒す細胞の働きを改善する効果が、03年に報告されています。
ただ、報告した本人は09年に、「一貫性はないかもしれない」という結果も報告しています。一貫性はなさそうですが、笑うことに損はなさそうです。
「笑い」が痛みを緩和するという報告は、ほかにも多数あります。
例えばイギリスの研究では、誰かとコメディ番組を見ると痛みの許容レベルが上がるという結果が出たそうです。
痛みを緩和する笑い方は、クスクスという上品な笑い方ではなく、腹式呼吸でお腹を使って思いきり笑う感じです。
体全体で体力を消耗するように笑うことで、痛みを和らげるエンドルフィンが出てくることがわかっています。
この研究を見ても、「笑い」は1人ではつくれないことがわかります。もちろん1人で笑う機会もありますが、その感情はすぐに消えてしまう。誰かと楽しく話したりすることで、その感情は維持できるのです。
外に出たり人と交流して、笑ったりポジティブな面白いことを発見すると、健康的な心と体をつくれるということです。
・ストレス、痛みの軽減
・怒り、不安、抑うつ気分の緩和
・血圧降下
・心筋梗塞リスク低下
・血糖値降下
・呼吸器機能改善
・エネルギー消費量低下
「面白い」が与えるオドロキの身体反応
ネガティブな感情も、無理してなくす必要はありません。たまには必要なのです。
例えば「痛い」というネガティブな状況は体の危険信号。痛みがあってはじめて病院に行ったりしますよね。そういう意味で、ネガティブも時に大事です。その流れで、痛いときや辛さで悲しくて泣く行為も必要。泣いて外に出すことで、苦しみが緩和されます。
「面白い」と「笑い」は別物なんですよね。「面白い」は楽しいことも悲しいことも含みます。一方の「笑い」は、楽しさや幸せを感じるとき限定のもので、表情そのものを指す言葉でもあります。
「面白い」という言葉は、愉快や楽しいという意味のほかに、興味深いときにも使いますよね。
ポジティブな面白さを感じると、心の柔軟性が高まったり、行動のレパートリーが広がったりします。さらに、新しい活動や社会的関わり、動機付けの役割があるという報告もされています。身体的にも、ストレスや逆境などへの抵抗力が高まると言われています。
また、面白い映画を見ると、副腎皮質ホルモンの一種である「コルチゾール」というストレスホルモンが下がります。