「ETFで手堅く始めて、ある程度の金額が貯まってから個別銘柄に切り替えるのも一案です」

そのうえで、長期投資で留意すべきタイミングが2つある。1つは株価が下がったときだ。

「株価が下がれば取得コストも下がるため、本来は買い増しのチャンスです。ところが、気持ちが萎えてしまうのか、売りたくなってしまう人が意外と多い。長期投資でこれをやったらアウトです」

こうした意味でも、毎月3000円と決めて積立投資を続けるのは堅い戦略と言えるだろう。

「必ず投資するという習慣さえ続けられれば、長期投資のかなりの部分は成功したも同然です」

毎月コツコツ積立投資を続けていれば、あとは定期的にポートフォリオを見直すだけでいい。これがもう1つのタイミングである「リバランス(資産の再配分)」だ。

加谷氏は3~5年に1度リバランスを行い、約2割の銘柄を入れ替えるという。

「いくら優良株を選んだつもりでも、1つの企業が未来永劫ベストな状態であり続ける保証はありません。ある程度の利益が出たところで、そろそろピークかなと思ったら売り、新しい銘柄を仕入れるようにしています。バフェット氏も定期的なリバランスをしているはずです」

短期的な値動きに惑わされずに積み立てを続け、定期的にリバランスを行う。この継続のコツさえつかめれば、月々の3000円がやがて大きく化けるのも夢ではない。

加谷珪一(かや・けいいち)
経済評論家
日経BP社、野村証券系投資ファンド運用会社を経て独立。億単位のお金を動かす個人投資家としても知られる。著書に『最強のお金運用術』など。
 
(撮影=大沢尚芳 写真=時事通信フォト)
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