「流行に関心がある」が過去最低になった
欲求の減少は、モノだけでなく情報についても顕著です。「流行に関心がある」、「はやっているものを人より早く知りたい方だ」、「はやっているものを人よりも詳しく知りたい方だ」は今回、全て過去最低値となりました。
この背景となっている彼らを取り巻く情報環境の変化として最も大きいのは、やはり「スマホ」などのスマートデバイスの普及です。今回の調査は2017年2月から3月にかけて実施したのですが、その時点でスマートフォン(親所有のものを含む)を使ってネットを利用している小4~中2の子どもは56.4%と半数を超えています。
それだけでなく、携帯ゲーム機でYouTubeやWebサイトを見ている子も36.4%ほどおり、ネット結線されたテレビ(16.5%)などを含めると、子どもたちは平均してひとり当たり1.9種類のデバイスを使いこなしています。家庭でネット利用をしていない子は、もはや6.1%ほどしかいない状態です。
ちなみに自分専用のスマホを持っている子も小学生(小4~小6)では21.6%、中学生(中1~中2)では61.6%でした。小学生では家庭の方針や学校の指導などもあって、自分専用のスマホを持っている子はまだ少数派ですが、中学生になると6割以上はスマホを持っているのです。
彼らはスマホに限らず、複数のデバイスを使いこなすことで、情報はいつでも、いくらでも自分で引き出すことが可能です。常に最新の情報を追い求めていた上の世代と違い、まとめサイトなどの情報のデータベースも豊富にある今の子どもたちにとって、情報はあえて最新を追いかけなくても、気になった時に手元のデバイスを立ち上げれば、容易にキャッチアップできるものになったのです。
一方で、中学校の先生によると、流行にはあまり興味を示さなくなったものの、自分の興味のあることや趣味に関してはとても主体的で、大人がびっくりするほど詳しくなる子も多いんだそうです。