それでも、いままでどおり働いていれば資産は増えるはずだった。ところが2人の行く手を阻むように、リーマンショックが勃発。
「私の勤務先は米国の金融機関だったので、被害は甚大でした。リストラに怯える日々を送っていたところ、突然、私ではなく夫の会社が倒産してしまったんです」
俊行さんはIT企業に勤めていたが、まだ若い会社でもあり、100年に一度レベルの景気後退を耐えぬくことができなかったのだ。
さらに、俊行さんの失業から2カ月後、不安が的中して今度は花輪さんがリストラに。一連の出来事は、2人が結婚してまだ3カ月ほどの時期に相次いで発生。まさに、幸せの絶頂から失意のどん底へ突き落とされた形になった。
しかし、状況はたしかに“どん底”だったものの、2人は比較的早く立ち直ることができたという。
「1人だったら落ち込んでいたと思うのですが、夫婦で励まし合えたおかげです。社宅を出なければならなかったので、あまり悩んでいるヒマもありませんでした」
その後、俊行さんは再就職したが、花輪さんがFPとして独立する準備に入ったため、収入は激減。2人は毎日のように話し合い、節約と家計管理に没頭した。
その資産推移が図。収入は以前より減っていたが、貯蓄はどんどん増えていったのだ。すべて節約や家計管理の見直しによる結果だという。
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