女子が狙うは「金」

男子セブンズの武器は「フィットネス(体力)」と「俊敏性」。ゲームスタイルは「人とボールが動き続けるハイテンポのラグビー」である。ディフェンス力は確実に上がった。メダルもノーチャンスではなかろう。

愛読書の『竜馬がゆく』(司馬遼太郎著)をリオに持ち込んだ桑水流主将は、果たして幕末の志士、坂本龍馬のごとく、歴史を創ることができるのか。30歳の主将はこう、言い切った。

「メダルという結果を残したい。次につながるオリンピックにしたい」

かたや、女子セブンズの日本代表『サクラセブンズ』はリオ五輪金メダルにターゲットを絞っている。この5年間、年間平均で200日余の合宿&遠征で、チーム力を高めてきた。男子相手の練習試合でも、あたり負けしなくなってきた。武器は、こちらも「世界一のフィットネス」としつこく低いタックル。

ゲームスタイルはずばり、「みんなで走り勝つラグビー」である。セブンズは、15人制ラグビーと同じ広さのグラウンドを、1チーム7人で走り回る。だから、一人のスペース、自由度は大きく、責任も大きくなる。練習で「世界一のハードワーク」を課してきた日本は、運動量で勝負をかける。

1次リーグの初戦の相手が、ワールドシリーズ2015~16年シーズンの総合3位のカナダである。でかくてパワー、スピードがある。キックオフを強みとする。展開力も突破力もある。ただ、展開は早い出足のディフェンスでつぶし、ポイントの近場ではダブルタックルで防げば、やがて相手は混沌に陥る。

攻めては、ラインブレイクと寄りを繰り返し、つないで走れば、活路が開けてくる。タックル、パスのプレーの精度、ふたり目の寄りがカギを握る。なんといっても、相手が狙ってくるキックオフをしのぎ切りたい。