一方、自分に浪費などの覚えがなければどうするか。伊藤正孝氏が答える。

「問題は、妻が自分は金遣いが荒いと思っているかどうかです。夫は思っても、妻が思ってなければ、何をいっても押しつけになってしまいます。現実を共有するにはどうするか。稲盛流にいえば、問題を“見える化”することです。もし、家の経済状態が悪化していたら、数字で見える化し、相手に見せる。JAL再建でも、第一線に至るまで経営の数字を見える化したことで、採算意識が徹底された。大切なのは夫婦間での危機意識の共有です」

一方通行的な要請や押しつけは問題を解決しない。意識を共有するためのコミュニケーションの大切さという基本を稲盛哲学は再確認させてくれる。

【稲盛哲学】伴侶は自分の鏡と思え ⇒ 過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる
佐々木昭人
ファイナンシャル・プランナー。ロムルス代表取締役。
1972年生まれ。生命保険の営業を経て、2007年より現在の事務所を立ち上げ、生命保険のコンサルティングを行う。09年より盛和塾新潟に参加している。
 
伊藤正孝
税理士、ファイナンシャル・プランナー。
1960年生まれ。プライス・ウォーターハウス・クーパースを経て、2004年に伊藤正孝税理士事務所を立ち上げる。稲盛氏の勉強会「盛和塾」では盛和塾横浜の元会計担当事務局を務めた。
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