鮮魚の次は青果やお酒を狙う
【田原】いまお客さんは何店ですか。
【松田】2000くらいです。配送地域は東京、埼玉、神奈川。
【田原】採算は取れている?
【松田】規模が小さくて、爪に火をともしてやっている時期は黒字でした。ただ、将来の成長のためには先行投資が必要。いまは増資をして、事業を拡大させるフェーズです。早く単月黒字を出しつつ成長を続ける状態に持っていきたいです。
【田原】将来はどれくらいの規模を目指しているのですか。
【松田】いま日本には約100万の飲食店があります。その1%を取れれば、1万店舗。1店平均月に100万円は仕入れに使っているので、その3割をうちから買ってもらえれば月30万円。それで年商360億円です。ひとまずはそこを目標にして、さらにシェアを伸ばしていずれは3000億円、5000億円の規模を目指していきたいです。
【田原】そのためには、これから何が必要ですか。
【松田】今年から水産物以外の商品を取り扱うようになりました。少量多品種の鮮魚も取り扱う品ぞろえの豊富さが私たちの強みですが、同じことは野菜や果物、お酒でもできます。飲食店さんが使うのは鮮魚だけではないので、これで売り上げを伸ばせます。
【田原】野菜や果物はスーパーで売っていない珍しいものもありそうだけど、お酒もそうなのですか?
【松田】たとえばサントリーさんは1000種類ぐらいのリキュール類をつくっています。でも、有名なのはトップ100ぐらいで、下位のほうは問屋さんもあまり扱っていません。そういうところまでカバーできたら、お客さんにとって魅力あるサービスになるのではないかと。
【田原】海外進出はどうですか。
【松田】やりたいです。ただ、日本の水産流通のレベルは世界最高峰で、同じ水準のものは海外にありません。やるなら、日本から鮮魚を空輸して持っていかないとダメでしょう。そうなるとGDPが高くて、日本食に理解があるところじゃないと難しい。おそらく最初はシンガポールやドバイ、サンフランシスコというようにシティ単位かもしれません。
【田原】夢が広がりますね。これからの展開に注目しています。