――アメリカでもこういうアプローチの本は珍しいそうで、発売と同時に大きな話題になりました。

お医者さんにも言えることと言えないことがあります。医師のなかにも効果のある代替療法があることを知っている人は少なくないと思いますが、訴訟リスクも含め、立場上それを患者にすすめることはできません。がんは標準的な治療法が決まっているので、医師はそれに従って治療計画を立てます。食生活を改善したり、ストレスを軽減したりすることが体にいいことはわかっていますが、具体的に何をすればいいのかアドバイスまでしてくれる医師はほとんどいませんよね。がんを告知された人は、自分でそうしたものも模索していく必要があるのです。

インフォームドコンセントの時代ですから、医師といえども患者に治療の強制はできません。決定権があるのは患者です。でも患者が自分の治療計画をどのように決定していけばよいかというガイドラインはない。『がんが自然に治る生き方』は川竹さんの『幸せはガンがくれた』と同様、生きる希望を持ち、自分で治していくという決意をした人にとっては福音になる本だと思います。

――神田さんは食生活を変えるなどの生活改善はされましたか。

食べ物はたしかに重要です。がんでもそれ以外の病気でも。でも食べ物を変える前にマインドを変えることが非常に重要です。『がんが自然に治る生き方』には、余命宣告を受けてから試行錯誤してがんが治った人たちが共通して実践していたという9つの項目が書いてありましたが、これを普通の人が自力で全部見つけ出すのは実際には難しいと思います。それをきちんと整理して伝えているところにこの本の価値があるわけですが、僕自身は結果的にこの9項目を全部やりました。

・抜本的に食事を変える
・治療法は自分で決める
・直感に従う
・ハーブとサプリメントの力を借りる
・抑圧された感情を解き放つ
・より前向きに生きる
・周囲の人の支えを受け入れる
・自分の魂と深くつながる
・「どうしても生きたい理由」を持つ
(『がんが自然に治る生き方』より)