そのほかに、どのような施策が目安となるか。少人数学級は小学校低学年を対象とすることが多いが、杉並区のように高学年を対象にする例も出ており、今後、さらに取り組む自治体が増えるものと思われる。1クラスの人員を減らすだけでなく、子ども1人当たりの先生の数を増やす自治体もある。余分な人員にかかる費用は自治体負担となるため、財政事情のいい自治体ほど教育に力を入れられるという言い方もできよう。
最近、目につきはじめたのは放課後などを利用して、基礎学力向上のための補習を行う自治体。志木市のほか、大田区やさいたま市、堺市などでも行われており、今後、さらに増えるものと思われる。
ICT(情報通信技術)利用では荒川区が13年以降に全小中学校の児童・生徒にタブレットPCを配布する計画が話題になった。追随する例はまだないようだが、今後、新たに取り組む自治体も出てきそうだ。
各種施策の中で自治体にとってもっともハードルが高く、それだけに熱心さを読み取りやすいのは独自科目の創設。図の世田谷区、品川区以外では港区(国際科)、荒川区・杉並区・埼玉県新座市・同戸田市・狭山市(英語科)、千葉県松戸市(言語活用科)、埼玉県さいたま市(潤いの時間)、静岡県沼津市(言語科)、兵庫県伊丹市・広島県全体(ことば科)、兵庫県尼崎市(計算科)などなど。また、葛飾区では13年から小学校に体力向上科を導入する予定だ。
こうした自治体の施策、取り組みを知る方法として手っ取り早いのは、教育委員会のホームページをチェックすること。自治体ホームページ上に教育委員会へのリンクがない、リンクはされていても名簿と議事録程度となれば、残念ながら施策が素晴らしい可能性は低い。熱心な自治体であれば、教育方針、施策の詳細などについて詳しい記載があるはずなので、複数の自治体を比べて眺めてみるといい。