[5]時間が経ってから叱らない

「さっきおまえ、こんなことしたな。ダメじゃないか!」と時間が経ってから叱っても、あまり効果はない。叱るときはすぐその場で対処しよう。

これは褒めるときも一緒で、よくできたらすぐに褒めて、親も一緒になってできたことを喜ぶことが大切。

「子育ての基本は褒める、ともに喜ぶです。小さなことでも褒めて自分が愛されているという自信を持たせる。たくさん褒めたからといって、自信過剰な嫌味な人間になるわけではありません」と諸富さん。

肯定的な自己イメージを持つ子どもに育てることが、これからの厳しい時代を生きるには必要なのだ。

[6]体罰の繰り返しはしない

「思わず子どもに手が出てしまうことだってあるでしょう。ただ、手をあげるときは、子ども自身が叩かれても仕方のないことをしてしまったと納得できるよう、子どもにきちんと理由を説明したうえで、愛情を込めて軽くピシッとやってください」

しかし、大した理由もないのにぶったり、体罰を繰り返すのは絶対によくない。それは憎しみとなり、親が困ることをわざとしたり、親を軽蔑するようになってしまうからだ。

何度言っても子どもが同じ過ちを繰り返すのは、どうしたらいいかがわからないからということが少なくない。どうすればよいのか、具体的な方法を根気よく教えるほうが行動は改善する。

諸富祥彦

1963年、福岡県生まれ。明治大学文学部教授。20年以上教育カウンセラーを務める。『女の子の育て方』『男の子の育て方』(いずれもWAVE出版)ほか著書多数。
(構成=遠藤 成)
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