だからこそ、そうした自然のリズムにしたがって暮らすことが、人間生活には重要になります。
「ドパ活」で心のモヤモヤが解消される
冒頭で、心の病に関わる「名医=自然治癒力」として、「ドーパミン」「オキシトシン」「セロトニン」を紹介しました。本稿では「セロ活」に続き、「ドパ活」、ドーパミン神経の働きを詳しく説明していきましょう。
ドーパミン神経を活性化させるには、「毎日気に入った絵を眺める」行為や、「懐かしい写真を眺める」ことが有効です。それによってポジティブな気分を形成させる脳内システム「快の情動判定→癒し中枢→副交感神経の興奮という作用」が活性化され、心のモヤモヤを解消させることにつながります。
「気に入った絵を眺める」行為は、目の網膜に入った信号が、大脳の視覚野を介して「情動中枢」に伝達され、そこで「快」の情動判定が下されます。その結果、ポジティブな心を形成する神経回路(「ポジティブ回路」)が活性化されるのです。
そしてその「快」の情動判定は次いで二つの脳に伝達されます。視床下部の「癒し中枢」を興奮させて、体を副交感神経優位の状態にさせて心身をリラックスさせます。もう一つは中脳のドーパミン神経を活性化させて、ポジティブな気分にさせるのです。実際に、気に入った絵を眺めると、ドーパミン神経が活性化されるという研究データが報告されています。
「ポジティブ回路」を活性化したままにするには
このポジティブ回路は、通常、絵を眺めた直後に活性化されますが、これは一時的なもので長くは続きません。ところが、その行為が毎日繰り返されると、情動記憶として蓄えられます。すると、ポジティブ回路が普段から活性化される状態になり、ネガティブな情動回路が働けなくなるのです。つまり、「ストレス中枢」の興奮が抑制される状態が続くので、だから、心のモヤモヤを解消させるというわけです。
私はゴッホの絵が好きで、一日に何度も眺めています。自宅の壁に好きなゴッホの絵のコピーを飾っています。ゴッホは絵を描きながら、自分自身を癒し、ポジティブな気分を味わっていたのだと私は考えています。したがって、大好きなゴッホの絵を見ているときに、ゴッホと同じように、ポジティブな気分が共感されるのです。もちろん、人によって共感する絵が違うのは当然で、自分が気に入った絵であることが癒しのポイントになります。
絵と同じように、懐かしい写真もポジティブな過去の情動体験をよみがえらせ、ポジティブ回路が動き始めます。心地よい気分が脳を支配して嫌なことが忘れられ、ストレス中枢が働かない状態が維持されるのです。


