現実と仮想現実が接続して起きたこと

今、会社経営や政治にすらコンプライアンスが求められているのに、知の世界だけが人類史上かつてなかった混乱に襲われている。なんと、デジタル情報はビッグデータとなって、わたしたちの考えや欲望をあやつっている。

このような状況になった最大の要因は、デジタル化の進展によって現実世界に「ヴァーチャル世界」、つまり「仮想世界」が接続して、人知の取り扱える世界が多次元化したことにある。

つまり、自分の好みに合う理想世界だけに閉じこもって暮らせるのだ。

VR空間に立っている女性の後ろ姿
写真=iStock.com/gremlin
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幻想怪奇系数学の世界が登場

文学でいえば、幻想怪奇の文学と同じで、お化けが出たり、神様が現れたり、まだ行った人が誰もいない宇宙のことを書くSFがある。数学も、自然主義や実証主義の秩序ある数ではなく、ウソや仮説や、どう見ても数ではないような「架空の数」も必要になった。

そう、現実に感じることのできるものや、秩序がはっきりした数じゃない幻想怪奇、お化けや宇宙人みたいなものを出さないと処理できないような世界になった。

つまり、フィルムで撮った実写映画と、アニメと、『スター・ウォーズ』みたいなSFX系の映画とを一緒に観せられていると思えばいい。しかも、この幻想怪奇系数学は、ことばのようにふつうの世界じゃ出てこないし、もともと触れるようなものではないから、ふつうの人は道具として使うチャンスも必要もない。

だから、わからなくても悲観する必要はない。これを道具として使わなければならなくなったら、誰でも本気で勉強できるようになる。そういう勉強は、チャンスを待てばいいのだ。