疑心暗鬼の世界
免許も知識もない暴走車が走りまわっている高速道路と同じだ。これじゃあ、いつか自分が巻きこまれるかしれない。
もっとはっきりいうなら、技術面はこわいほど進んだが、芸道とか武士道というような肝心の「道」がない。運転免許を持たずに車を勝手に運転し、スピードアップするドライバーのようなものだ。
このままでは自分の情報を守るすべもなくなり、疑心暗鬼の世界が出現しかねない。これでは、「穏やかで平和な日常」を基盤として暮らすふつうの人々の居場所がなくなる。
「勉強バカ」「勉強亡者」にならない
あらためて、この新世界の成り立ちの謎を調べることが必要だ。あなたがこれから始める勉強や研究は、まわりがほとんどアドバイスしてくれない「無知」と「無秩序」を理解するためにあるといってもいい。
その際、まわりの混乱に惑わされない勉強の方法を考えると同時に、勉強すること自体が暴走してしまわないように、勉強自体に〈ルール〉というか〈秩序〉を課すことが必要だ。
なぜなら、「好きなことをする」というのは業(どうしても犯してしまう人間の基本的な欲望や行為)に近い煩悩の世界であって、この業から抜けだして世界を調和させるような真の賢者が出にくいからだ。
では、何をすればいいのか。それはむずかしいようで簡単なことだ。勉強をなるべく、深く、広くすること。そして、ここぞと思う分野を見つけたら、なるべく深く、それも自分の体を使って掘り下げること――。
これさえ気をつければ、あなたは少なくとも「勉強バカ」や「勉強亡者」になってしまう心配はない。
