硫黄島の記憶のために“戦った”男
「スケオさんはね」――。父島に暮らす旧硫黄島民1世や2世の間で、これほど敬愛を込めて語られる名前はないだろう。宮川典男(故人)。硫黄島出身の宮川は、軍属として島に残された親族7人全員を失うという痛ましい体験をしていた。
終戦後は建設業を営みながら帰島を願い続けた。遺骨収容活動などに私財を惜しみなく投じ、生涯をかけて島の記憶を守り続けた。
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