“浴槽キャンセル界隈”は要注意

最近は夏だけでなく、1年を通して「入浴はシャワーだけ。湯船には浸かりません」と言う人が少なくありません。

でも、シャワーだけでは体が芯まで温まりません。湯船に浸かるときのように全身の血流を改善する効果もないため、夏のエアコンや冬の冷気による「冷え」が体に残ったままになってしまいます。

また、「しっかり食べないと体が冷える」と思っている方は意外なほど多いものです。でも実際はまったく逆のお話です。

空腹になる間もなく食べ続けていると、胃腸などの消化器官はずっとフル回転している状態です。その間、血液は消化器官に集中するため、熱を発する器官である筋肉や心臓、肝臓などに届く血液が少なくなって、体温が下がってしまうのです。

特に運動不足での食べすぎは最悪です。エネルギーとして消費されなかった糖質や脂質が血液中に残ってしまい、全身の血流を悪化させて、冷えに拍車をかけてしまいます。

筋肉量が少ない女性は「冷えやすい」

「冷え症」というと、女性特有のトラブルというイメージがあります。実際には、男性で冷え症の方も少なくありませんが、男性に比べて女性が冷えやすいというのもまた事実です。

男性と女性とでは、そもそも体の構造が異なります。体格や体型、生殖器官、声、髪質や肌質など、さまざまな違いがあるのですが、中でも、筋肉量の違いは顕著です。

一般に、男性は女性よりもがっちりしていて脂肪が少なく、その分、筋肉が発達しています。一方、女性は体に脂肪がつき、ふっくらとしていて、筋肉の量は男性に比べて多くありません。

筋肉には熱を生む働きがあります。脂肪には体の熱を逃がさないように保温する役目がありますが、筋肉のように熱をつくることはできません。

体の中には、肝臓や心臓、脳など、自分で熱を生む臓器もいくつかありますが、最も熱を発するのが筋肉です。1日の中で、体温の40%程度が筋肉によってつくられています。そのため、筋肉量の少ない女性は男性に比べて冷えやすいというわけです。