体温が1度下がると基礎代謝は12%低下する
基礎代謝量は、身長と体重、年齢などの影響を受けますが、中でも筋肉量に大きく左右されます。同じ体重でも脂肪が少なくて筋肉量が多い人のほうが、基礎代謝量は高くなります。
基礎代謝は若いときには活発で、基礎代謝量も多いのですが、年齢を重ねるとどちらも徐々に低下していきます。これも、加齢とともに、筋肉量が低下するためと考えられます。
基礎代謝の低下には、「体の冷え」も大きく関与しています。
体温が1度下がると、代謝は約12%も低下するといわれています。体が冷えていると、それまでと同じ食事や生活スタイルを続けていても、代謝はどんどん悪化して、むくんだり、太りやすくなっていきます。
「冷え症」の人は低体温状態で代謝が悪いままなので、一度ついた脂肪が落ちにくく、ダイエットをしてもやせないといった事態に陥ってしまうのです。
自覚のない「隠れ冷え症」が危ない
「体が冷えていますね」。不調を訴えて、クリニックにいらっしゃる患者さんに、診療の結果をそうお伝えすると、「え、特に寒くないし、私は冷え症ではありません」とおっしゃる方は少なくありません。
でも、この自覚のない「冷え」こそ、実は注意が必要です。
困ったことに、自分は暑がりだと思っている人の中にも、「隠れ冷え症」さんがいます。頭や顔はのぼせて暑いのに足腰は冷たいという「冷えのぼせ」さんは、たいてい、自分は暑がりだと思っています。
平熱が36.5度以上ある人でも、足が冷えているのであれば、それは本当の体温ではありません。下半身が冷えているために、上半身に血が上ってしまっているだけ。今の体温計はほとんどがわきの下で測るものなので、このタイプの人は体温が高めに出てしまうのです。
寒さを感じなくても、足先やお腹に手を当てて冷たかったら、「隠れ冷え症」の可能性があります。体の表面はほてっていても、内臓は冷えているという人もたくさんいます。この場合は、お腹や胸を触ってみると、ヒヤッと冷たいのが特徴です。
