漢方で見る「陰性体質」と「陽性体質」

漢方でいうと、ほとんどの女性は生まれつき水をため込みやすく冷えやすい「陰性体質」です。一方、男性はほっそりとした一部の方を除いて水をため込まず冷えにくい「陽性体質」です。

特に筋肉質でがっちりしている男性は陽性体質で暑がりなので、陰性体質で冷えがちな女性とは体感温度が違います。夏になるとエアコンの設定温度で男女の意見が分かれることがありますが、これも体の構造の違い、体質の違いを理解すれば納得がいくはずです。

年代別にみると、筋肉量は20代でピークを迎えます。その後は加齢とともに少しずつ減少します。そして、50代以降は努力しなければ1年で約1%程度筋肉が減っていくといわれています。

砂の中の黒と白の石
写真=iStock.com/vchal
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下半身には太ももなどの大きな筋肉が集まっており、全身の筋肉の約7割を占めています。そして、加齢によって、特に下半身の筋肉量の減少が顕著に進むことがわかっています。

しなやかな筋肉が血流を良くする

また、冷えには筋肉量だけでなく、筋肉のしなやかさも影響しています。

血管の壁が厚く弾力性に富む動脈は、心臓の収縮によって送り出された血液の圧力で、ふくらんだりしぼんだりして全身に血液を送っています。

それに対して静脈は自分で血液を運ぶ力はほとんどなく、足の筋肉が収縮したり弛緩しかんしたりしてポンプのように血液を押し上げています。

長時間同じ姿勢をとり続けたり、運動不足だったりすると、足の筋肉が硬くなって血液を押し上げる力が弱くなり、血流が悪くなって冷えてしまうのです。