“攻め”の長野、“守り”の新潟
アクシアルは長野県内でも着々と店舗数を増やしており、地域密着型のドミナント戦略が成果を上げている。同社は長野県内に物流センターの設置を計画し、ドミナント出店を進めている。一方、地盤の新潟ではロピアやイオンなど競合出店が相次ぎ、「新潟戦争の再来」ともいわれる状況にある。
こうしたなかでも収益を維持できるのは、価格対応力(ESLP)と品質訴求力、そして現場改善力の三位一体の経営にある。店舗数は130店ながら、TQMによって“質で勝つ”モデルを確立しつつある。
さらに、ローカルスーパーでありながら「原信」などアクシアルの店舗は、清潔感とデザイン性のある外観・内装で知られ、地域での“あか抜けた店”というブランドイメージを確立している。富山県など新規出店エリアでは、当初、知名度不足からパート・アルバイトの採用に苦労したが、店舗の雰囲気や評判が浸透するにつれて応募数が増え、好循環が生まれている。イメージと運営品質が両輪となった経営が、採用力・定着力の面でも成果を上げている。
スーパーは「製造業型経営」で変われるか
アクシアルの取り組みは、今後の地方スーパーや中堅チェーンにとって示唆に富む。「属人的経営」から「構造的経営」への転換。その鍵は、TQMという地道で継続的な改善の積み重ねにある。「現場は知っている」。その声に耳を傾け、全員参加の改善が文化として根づいたとき、スーパーマーケットの未来はきっと変わる。
