「NHK(ニューホッカイドウカカク)」とは
物価高の時代に注目を集める地方発のスーパーがある。物流費がかかるなどの理由で、かつては「北海道価格」と呼ばれる割高な物価が常識とされてきた。そんな既成概念に真正面から挑んだのがアークスであり、会長の横山清氏は1990年代から「NHK(ニューホッカイドウカカク)」というスローガンを掲げ、価格水準の是正に取り組んできた。
北海道の暮らしをより良くするには、生活必需品を本州並みに買える環境が必要だという信念が、今も同社の企業文化として根付いている。
横山氏が掲げてきたもう一つの理念が「八ケ岳連峰経営」だ。これは傘下のスーパー各社が自主性を持って並び立つ姿を、連峰のように例えたもの。各社の「らしさ」を残しながら成長する多様性重視の経営思想だ。M&A(買収・合併)によって企業グループを広げながらも、中央集権型ではなく、現場主義に根差した協調型の組織づくりを貫いてきた。
「1物3価」が道民の心をつかむ
アークスグループの主力業態である「スーパーアークス」は、食品を中心に、日用品や家庭用品まで幅広く取り揃える地域密着型の大型スーパーマーケットだ。店内はゆとりある通路設計で高齢者にもやさしく、価格表示やPOPも見やすく工夫されている。地域の食材を多く取り扱い、惣菜や地元生産者との連携商品など「地産地消」にも力を入れている。
さらに、PB商品を含めた“お値打ち価格”の品揃え、ポイントサービス、チラシ戦略などを駆使し、生活密着型の買い物空間を提供している。また、スーパーアークスでは『一物三価』と呼ばれる段階的割引制度も導入されており、同じ商品でも1個・2個・3個とまとめ買いすることで単価が下がる仕組みを採用。これにより、まとめ買いのメリットを打ち出しつつ、消費者にとってのお得感と楽しさを提供する。

