「証明できない暴力」がある

「公的な支援につながるためには、被害の証明が必要なんです。例えば暴力を受けた痕や診断書など。でも、それを証明するのはなかなか難しいんですよ。そして、証明できない言葉や態度による精神的な暴力のほうが実は深い傷を与えると私は考えています」

やどかりハウスの相談員で精神保健福祉士の秋山あきやま紅葉くれはさん(40)はそう語る。秋山さんはやどかりハウスが発足した当初から相談支援に携わり、SNSや電話も含め、1日に少なくとも5人、多ければ10人の話を聞く。昼夜問わず、毎日だ。

穏やかな語り口で利用者と話をする秋山さん
筆者撮影
穏やかな語り口で利用者と話をする相談員の秋山紅葉さん

公的な女性保護制度では、暴力を振るう相手と離婚することを前提としなければ保護の対象とならない。さらに、精神疾患があると対象外となる他、子どもがいる場合、その子どもが男の子だと一緒に入居することはできないなど、条件は厳しい。