猛暑や豪雨でも問題なしの室内エクササイズ
道具を使う場合には、さまざまなアイテムから選ぼう
手頃なのは踏み台昇降ステップ。高さは10センチ、15センチ、20センチなど、自分に合わせて高さを選びます。私たちは大学の研究室でデモ用に踏み台昇降を使っていました。ただし、テレビを見ながら、おしゃべりをしながらのステッピングは効果を半減させるので注意。「集中」して5分以上、生活習慣の一環として続けることが大切です。
スクワットや踏み台昇降ステップのほかにも、エアロバイクやステッピングマシンなども、費用やスペースに余裕がある場合は活用を。負荷の程度も適当に切り替えられ、エクササイズをしたという充実感も得られます。疲れたらやめること。そしてなにより「生活習慣としての継続」が重要です。
天気のよいときには、外でウオーキングやジョギング、天気が悪いときには、室内で各種エクササイズと、臨機応変に変えればよいのです。私もこのような生活を続けていますが、その内容や方法は少しずつ進化してきています。
「クールな覚醒」産むエアロバイクの効能
ここで、科学的エビデンスを簡単に紹介しておきましょう。国際誌に掲載された私たちの論文からの抜粋です。エアロバイクを30分間漕いで得られたデータです。
まずは、脳波のデータから
自転車を漕ぎ始めて数分すると、特別な脳波が現れ始めます。通常、覚醒時にはベータ波が現れていますが、自転車を漕ぎ出して数分で、アルファ波が少しずつ混入するようになり、10分ぐらいすると、アルファ波が脳波の主要成分に変わってきます。この変化は大脳皮質の働きが若干抑制されているエビデンスです。自転車を漕ぎ続けているので、しっかりと覚醒していることは間違いなく、私は「クールな覚醒状態」と表現しています。
一般に、大脳皮質の働きは認知機能が主体であり、言葉で論理的に考え、損得勘定をし、記憶や計算能力を高く維持します。クールな覚醒状態では、それらの認知機能(いわゆる「知性」)が少し抑制されるようになります。つまり「頭デッカチが抑えられる」ということです。しかしそれは、ボーッと眠い状態ではなく、またカッカと頭が動いているわけでもありません。あくまで「クールな覚醒状態」なのです。
次に心理テストのデータから
この自転車を漕ぐエクササイズの前と後で、POMS心理テスト(国際的によく使われる気分変化を評価するテスト。30項目の質問に答えるだけ。所要時間5分ぐらい)をしました。すると緊張・不安の低下、うつ気分の軽減、怒り・敵意の改善、疲労や混乱の解消など、総じてネガティブな気分が改善され、元気の度合いが上昇する結果が得られました。
なお、脳内のセロトニン濃度の変動については、エクササイズ直前、直後、30分後の3回、血液中のセロトニン濃度を測定して、間接的に評価しました。するとエクササイズ直後にセロトニン濃度が明確に(統計学的に有意に)増加し、30分後も高いレベルが維持されたのです。
これは、脳内のセロトニンが増加した間接的証拠だと評価されます(この評価法は国際的に妥当であると証明されています)。自転車漕ぎの実験だけではなく、スクワットや階段昇降などにおいても、同様の結果が得られているのです。


