ベンチャー企業と大企業では、人事についての考え方が異なる。私がいたリクルートでは、結果を出せば出世するというシンプルな構図があった。しかし大企業では、人間関係などの要素が複雑に絡んでくる。大手の人事部にいた著者が内幕を明かした『人事部は見ている。』を読むと、大企業に共通する評価基準がよくわかる。

『人事部は見ている。』楠木 新/日経プレミアシリーズ
人事評価や異動は、実務ベースでどのように決まるのか。一般社員からは見えにくい人事のメカニズムや人事部の仕事を、大手企業で人事に携わった著者が書き尽くす。

日本企業では日本人独特のメンタリティによって組織運営されることも多い。日本人の特質を解き明かした『タテ社会の人間関係』『「空気」の研究』は、企業内の不思議な力学を理解するうえで参考になるはずだ。