女性検事・ひかり氏が検察内で受けた二次加害の深刻さ

以上のことを念頭に置きながら、性暴力を受けた後、二次加害として現実にどのような事態に直面するのか、ひかり氏の経験をたどりながら、二次加害の苛烈さを報告する。誹謗中傷という一言で二次加害が説明されることも多く、現実にどのように傷つけられていくのか、被害者の立場から詳しく伝えている報道は少ない。警察発表などに基づき、被害者ではなく加害者側から犯罪を見る形で長年性暴力事件を報じてきた習慣から、メディアが抜けきれないことも関係している。

上司である北川被告から性暴行を受けた当初、ひかり氏は、非難されることを恐れて検察内では口に出せなかったという。被害を受ける直前の飲み会で同席していた警察官には打ち明け、すぐに被害届を出すことを勧められたが、検事であるひかり氏ですら、それができなかった。