奔放な姿の裏側にある息子への愛

ドラマでは二宮和也が演じた父・清の死後、やなせたかしの弟・千尋は叔父の寛の養子となり、やなせたかしは母と祖母と3人で高知市の借家で暮らしていた。そんななか、登喜子は、日々生け花や茶の湯など様々なお稽古ごとに精を出ていた。

前掲『アンパンマンの遺書』のなかで、やなせたかしは当時をこう語っている。

今から考えると、未亡人になった母は全力をあげて自活の道を探していたのだ。ミシンを踏んで洋服を縫い、茶の湯、生花、盆景、謡曲、琴、三味線と、習い事でほとんど家にいなかった。