答えが長い、説明が長い、慎重な子は100%心配なし!

こんにちは。辻・E・ホメ夫です。新緑まぶしい季節、まぶしさでは何にも負けないブリリアントな珍解答をご紹介します。

小6女子、几帳面で慎重なタイプのお子さん。彼女が取り組んだ問題は、「振り子の周期を正確に測定する方法を簡単に説明しなさい」というもの。

模範解答は「10往復の時間を計り、それを10で割って平均を出す」なんですが、彼女が出した答えは「10往復の時間を10回計り、それを100で割って平均を出す」でした。テストなら、よくてサンカク、下手すればバツになる解答です。

「念には念を入れて」ってことでしょうが、「さすがに100往復分を計るのはキツイだろ!」と突っ込んでしまいそうになるパパ、ママもいらっしゃるかと思います。しかし、そこはぐっとこらえて、100往復の理由を聞いてあげてください。

実際に尋ねてみると「できるだけ正確に計りたいから」と言うんです。この考え方、大正解ですよね。中学や高校の物理の実験では、10往復にかかる時間を何度も計測し、その平均同士の平均をも出して、できるだけ実験の誤差を小さくする、といったことはよく行うのです。

彼女の慎重な性格が、「中学受験ではそこまで詳細に答えなくても大丈夫」という「ほどほどの解答」を超えるものを導きだしたんですね。慎重なお子さんの場合、ときには記述式解答をくわしく書きすぎて「何が言いたいのかわからない」となってしまったりもするのです。

ただ、実験というテーマに関しては、慎重な性格は大きな武器。たとえば「実験中の危険回避」の問題。薬品や火器を使用するので、安全の確保は最重要条件、入試にもよく出されます。

このあと、彼女には簡潔な記述式解答の書き方を指導してあげました。すると、記述問題に関しては百発百中の正確さを身につけていきました。お子さんの性格は百人百様。どんな性格でも、それが弱点になることも、武器になることもある。どうすれば武器に転じることができるのか、考えてあげてください!

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