おバカアンサーは、知識を広げる突破口だ!

こんにちは。辻・アインシュタイン・ホメ夫です。入試シーズンが終わりました。受験生のみんな、保護者の皆さま、おつかれさまでした! また、5年生以下のみんなは早くも新学年がスタート。今年度もがんばってまいりましょう!

さてさて、身の回りの科学に興味が旺盛な小6男子の惜しい珍解答です。

彼が解いた問題は「大きな天体望遠鏡が、標高の高いところに作られることが多いのはなぜですか」というもの。

大人なら、標高が高い=都市部の光が届きにくい、とか、空気が澄んでいる、などと連想しますが、彼の答えは「宇宙に近いから」でした。山の高さなんて、天体までの距離と比べたら、話にならないくらいの距離だよ! 一見、とんちんかんなおバカアンサーですが、とても子供らしくてストレート。私が大好きなタイプの珍解答です!

実は「宇宙に近い」という答え、あながちとんちんかんでもないんです。もし子供から、「じゃあ、どこからが宇宙なの?」と聞かれたら、多くの親御さんは困るのではないですか?

一般に「地表から約100キロメートルより高いところから」が宇宙と呼ばれています。宇宙と地表の間にあるのが「大気」です。大気はいくつかの層に分かれていて、観測の邪魔になる雲ができたり、ちりが多く含まれたりするのが「対流圏」と呼ばれる層です。この対流圏は地表から10キロメートルくらいまでしかないんです。世界最高地点の天文台、チリの東京大学アタカマ天文台の標高は5640メートル。それより上に存在する対流圏はあと約半分しかない。そう考えると、彼の言う「宇宙への近さ」は重要な要素なんです。

まったくおまえはバカだな! と笑って済ませないで、惜しいな! と親御さんが気づいたら、順序立てて関連事項を教えてあげると、一気に理解が進んでいきます。「惜しいじゃないか!」といったん褒めてやり、できる範囲でかまいませんので、珍解答を入り口に知識を広げてあげてください。珍解答が子供を救う! 親を賢くする!

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