ヒントにピンとくる子は、科学者のセンスあり!
こんにちは。辻・アインシュタイン・ホメ夫です。今回は、小5男子の愛すべき珍解答をご紹介します。
いい意味でとても幼く、素直でかわいらしいお子さんです。彼が解いた問題は「地球から月の裏側が見えない理由を答えなさい」です。ちょっと難しい問題です。親御さんも、もう忘れてしまったんじゃないでしょうか。地球から見ると、月はいつも同じ面を向いています。月が自分で回転しながら(自転)、地球の周りを回っている(公転)からです。
この問いに対する彼の答えは「月が透明ではないため」。ごもっとも! 紙でも木でも、透明ではないので、裏返さなければ裏側は見えないですね。
ナニふざけてんのよ! なんて怒らないでください。彼は真剣なんです。私は、こんなふうにヒントを与えました。
「水が入った透明なペットボトルは、正面から向こう側が透けて見えるよね。でも、コーラが入っていたら向こうは見えない。どうすればいいか。こうやって裏返すと裏側は見えるよね」
彼の思考がスイッチオン!
「月の裏側が見えないってことは、裏返さないってことだから、月は回らない(自転していない)ってことですか?」
素直だからこそできる発想ですね。こんどは公転に関するヒントを与えます。
「コーラのペットボトルの向きを変えずにキミの真後ろに位置を変えるとどうなる?」
「裏側が見えます、ホメ夫先生」
「じゃあ、こうやって回すとどう? 真後ろに来ても、キミから裏側が見えないでしょ?」
「真後ろに行く間に、ペットボトルが回転してしまったってことですか?」
よしっ、気づいた! 彼はついに月の自転と公転の周期が同じという事実の入り口にたどり着きました。しかも自力で! この「自力で」が非常に大切。「自力で」の快感を味わうと、どんどん「自力で」をしたくなる。そうこうしているうちに、何にでも「なぜ」を繰り返して考えるようになります。もはや科学者と同じ目線。ヒントの与え方って、大事なんですよ!