スポンサー側にも問われる「見えない暴力」
フジテレビの報告書に記載されていた以外にも、こういった飲み会はテレビ業界で常態化しており、局側があの手この手を使って、スポンサーを満足させようとしていた姿勢がうかがえる。週刊文春が使うような「上納」という言葉との響きとは違うものの、むしろじわじわと精神を蝕んでくるようなタチの悪い飲み会である。いずれの例も、相手はタレントではなくスポンサー企業の社員であることに注目したい。つまり、一般男性だ。また、報告書には「スポンサーから肉体関係を求められた」という社員の声もあった。
そうなると出てくるのが、スポンサー側に責任はないのだろうか、という疑問である。今回は、相手が中居正広だったことで問題が強い関心を集めたが、他にも、可視化されていない範囲で、“見えない暴力”は多くあったのではないだろうか。いや、今回の報告書で適用されたWHO(世界保健機関)の定義で言えば「望まない性的な発言や誘い」も性暴力に入るので、これらもスポンサーによる性暴力と言っていいものだろう。
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