「ぬいぐるみの首を、一生懸命絞めていました」
このインナーチャイルドの存在が、サヘルさんに結婚も、子どもを持つという選択も、不可能なものにしている。
「家族を持つことは、今の私にはできません。怖いし、子どもを愛する自信がない。だって、私のインナーチャイルドが、幼少期に育ったイランの施設に今もずっと残っているから。その子が多分、“刃”が一番強いんです。時たま、出てきます。その子は反発、憎しみ、怒りも、狂気も持っている。その狂気を抑えられるのが、母の前にいるときと、何かを表現しているとき。このときだけは、狂気を出さなくて済むんです。その狂気は人に向かうことはないのですが、すごく自分を傷つけたくなります」
かつて、「狂気」が他へ向かったことが確かにあった。
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