「噛み合わない会話」は新しい理解への入り口

本稿で挙げた人たちは決して、悪意を持って“噛み合わない会話”をしているわけではありません。

好意で様々な情報を提供してくれようとしている側面もあるでしょうし、βさんであれば自らの職務に対する思いや責任感を強く持っているとも捉えられます。

もし乱暴に話をさえぎったり、呆れたような態度を示したりしてしまえば、根本に好意や親切心があったぶん、そのショックは大きいものになるでしょう。

米澤創一『なぜ、あの人との会話は噛み合わないのか』(プレジデント社)
米澤創一『なぜ、あの人との会話は噛み合わないのか』(プレジデント社)

ですから、どこでコミュニケーションの齟齬が起きているのかを見極めて、ときには脱線した話題への興味も示しながら対応する必要があります。

また、話が噛み合わない相手に対して、その場では話を聞きはするものの、以降まともに取り合わないという選択肢を取る人もいます。しかし、これも本質的な問題解決にはつながりません。

「噛み合わない会話」は、新しい理解への入口なのです。

相手と自分の違いを発見し、それを埋める努力をする。それができる人は、対話を通じて自分自身を成長させ、他者との関係をより良いものにしていくことができるはずです。