カレーの「ルー」と書くのか、「ルウ」と書くのか

Q カレーの「ルー/ルウ/ルゥ」は、どのように書くのがよいのでしょうか。
A カタカナ表記の原則に従えば、「ルー」がふさわしい書き方ということになります。製品名などで「ルウ」「ルゥ」といった書き方も実際には見られますが、その製品の名前を固有名詞として取り上げるのでないかぎり、「ルー」と書くのが基本です。「ルウ」あるいは「ルゥ」という書き方は、おそらく戦後に特定の食品メーカーが採用したことによって広まったのではないかと推定しています。

現代日本語では外来語をカタカナで書く場合、長音(のばす音)は「ー」を使うことになっています。例外として「ー」を使わないのは、料理で使う「ボウル」(球の「ボール」と書き分けるため)や娯楽の「ボウリング」(掘削の「ボーリング」と書き分けるため)など特別な事情があるものだけです。一方、カレーの「ルー」はフランス語“roux”から来たことばですが、これをあえて「ルウ」あるいは「ルゥ」と書くような特別な理由は見当たりません。

「ルー」のほうがルールどおりの書き方

塩田雄大『ゆれる日本語、それでもゆるがない日本語 NHK調査でわかった日本語のいま』(世界文化社)
塩田雄大『ゆれる日本語、それでもゆるがない日本語 NHK調査でわかった日本語のいま』(世界文化社)

古い資料ですが、1935(昭和10)年に出た新語辞典(『萬国新語大辞典』)にも、「ルー」という形で載せられています。

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