何を言っても全否定してくる人たちがいる。いったいなぜ、どういう精神構造なのだろうか。そして、それにはどう対処していけばいいか。作家・島田雅彦氏に、分析してもらった。
【写真】ランドセルをキャリーバッグ式にする器具「さんぽセル」を考案した栃木県の小学生たち
ランドセルをキャリーバッグ式にする器具「さんぽセル」を考案した栃木県の小学生たち。大人たち からの全否定がニュースに

「昔のままでいい」と慣習に固執するワケ

このテーマを聞いて思い出したのが、以前に見たニュースです。2022年のことですが、栃木県の小学生が「ランドセルが重いから」とランドセルをキャリーバッグ式にする器具を自分たちで考え、発表したことがありました。ランドセルを転がすこともできるし、背負うこともできるいいアイデアです。

ところがそれを見た大人たちが、寄ってたかって否定し始めたのです。「低学年だとコントロールできないのではないか」「交通の邪魔になりかねない」「舗装されていないと動かせない」などと言って。しまいには「重たいランドセルを背負って通学したのはいい思い出だ」とノスタルジーに浸ったりしています。いかにも大人気ない、グロテスクな反応でした。