話を展開させたいとき
エピソード合戦をはじめる前に、まずは相手の話を受けとめるべき。話を奪われたように感じると、人はモヤモヤします。
相手のエピソードにかぶせる形で、「私なんて……」と、“さらに上回る”話をしようとする人がいます。モヤッとするしくみは先ほど紹介した「それこそ」と同じですが、「私のほうが上回る経験をした」感が色濃く出るため、よりタチが悪いかも。
「それこそ」と同じように、大事なのは、まず相手のエピソードを受けとめること。どうしても話したい類似エピソードが頭に浮かんだ場合は、相手の話をしっかり受けた後で、「実は私も……」と控えめに差し出すようにしましょう。
ちなみに、どんな話もいつの間にか自分の話へと持っていく人は、「会話泥棒」と呼ばれ、周りからよく思われません。少しでも思いあたるフシがある人は、「私なんて」や「それこそ」で“泥棒”していないか、自分の会話のクセを一度見直してみるといいかも。
そうなんですね、実は私も○○
なじみのない会話のとき
「大衆的なことには興味がない自分」……多様性社会ではちょっとカッコ悪いかも。人の趣味を尊重することで、相手からも尊重されます。
「知らない」ことがマウントになると考える人がいます。たとえば、ちょっとマイナーな芸能人同士が結婚したときにネット上で見かける、「誰?」というコメント。「私はあなたたちのことなんか知らない」とわざわざ述べることで相手をサゲる、という手法ですね。おめでたいことを素直に祝う、あるいは、知らない相手なら何も言わずにいればいいのに。
流行りのアイドルやミュージシャン、世界的なスポーツイベントなどの話題について「知らない」と表明することで、「大衆的なことには興味がない自分」を演出する……多様性時代の今、逆にイケてないかもしれません。
相手が振ってきた話題は、たとえ自分とまったく接点がない事柄であっても、知らないなりに会話を続けましょう。知らないことほど、「なんでそんなに好きなんだろう?」と興味がわきませんか?
へー、どんなところがいいんですか?