「大台」1000万円超の企業は12社

以下、2~4位は伊藤忠商事(1753.6万円、前年比23.6万円増)、川崎汽船(1394.0万円、同65.1万円増)、朝日放送グループホールディングス(HD)(1262.2万円、同52.2万円減)で前年と同じ顔ぶれとなった。

このうち、朝日放送グループホールディングスのみ前年から平均年収が減少した。前年と比較して、従業員数が増えて平均年齢は下がったことから、相対的に年収の低い人数が増えた点が要因とみられる。

5位は京阪神ビルディング(1116.1万円、同45.3万円増)、6位は専門商社の西本Wismettacホールディングス(1115.2万円、同14.3万円増)。

西本Wismettacホールディングスは、2024年11月、代表取締役会長CEOを務める洲崎良朗氏の会社「ワイエス商事」によるMBOの実施を発表。株式の非公開化を実施。現在、東証プライムに上場しているが、TOB実施後は上場廃止となる。輸入卸販売が円安によって打撃を受けるなど業績が停滞する中、ビジネスの再構築を図る。

7位は、TOP200の中で最も平均年収が増加したプレサンスコーポレーションが続いた。同社の平均年収は前年から136.6万円増加して1097.5万円と1000万円台の「大台」に到達。自社ブランドマンション『プレサンス』シリーズを手掛け、近畿や東海・中京エリアでマンション供給数は長年1位となっている。住宅価格の上昇が著しい都市部を中心に業績を伸ばしている。

8位は化学専門商社の長瀬産業。米中市場の停滞で業績が伸び悩んだ一方、平均給与は4.8万円増加して1095.1万円だった。9~10位は大阪大学発の製薬ベンチャーのアンジェス(1093.3万円、同27.2万円減)、武田薬品工業(1081.3万円、同15.9万円減少)で医薬品企業が続いた。

「新紙幣」で利益が爆増

前年比で100万円を超す年収アップをした企業は、12社だった。

11位のSCREENホールディングスは、半導体や液晶製造装置を主力とし、海外売り上げが大半を占める。半導体洗浄装置ではシェアが世界トップだ。

伸び悩む半導体関連企業がある中、同社は中国市場での伸びが業績を牽引して売り上げ・利益ともに過去最高を記録。平均年収も101.3万円増加して1024.8万円に。2025年2月には事業拡大に備えて滋賀県野洲市に用地取得を決定し、さらなる成長を目指す。

127位のグローリーは貨幣処理機および端末機を手掛け、世界トップシェアだ。新紙幣発行前のニーズ増加によって、売り上げは前期比45.6%増。営業利益に至っては同9723.0%増と驚異的な数字を叩き出し、年収も100万円を超えるアップを果たして746.1万円となった。

129位の神栄(744.7万円、同121.5万円増)は創業130年を超える老舗企業で、工業製品や生活用品の輸出入、防災コンサルティングなどを手掛ける。

148位の合同製鐵(729.7万円、同109.9万円増)は、鉄スクラップから鋼材を生産する鉄鋼メーカー。昨今は建設資材価格の高騰により、主に国内で案件の延期などもみられるなど市場には逆風が吹く。そんな中、価格交渉や生産の合理化を進めた。原料の鉄スクラップ価格も安定したことで100万円以上の年収アップを実現した。同じ鉄鋼業の神戸製鋼所(150位、726.4万円、同120.7万円増)も大幅増となっている。

ランキング156位のシャルレ(723.1万円)は、TOP200のうち増加幅が2位の130.5万円。女性向けインナーを中心に衣料品や化粧品などを手掛ける。2024年3月期は価格改定を実施し、改定前の駆け込み需要が発生。在庫ロスが改善したこともあり、増益となった。

TOP200圏外ではあるが、同じ衣料品業で458位のタビオ(550.9万円、同144.1万円増)も同様に堅調な増益を果たし、いずれも平均給与の大幅な増加につながっている。