将来の成功に関わる「非認知能力」とは
論文には、次のような内容が含まれていました。
・遅生まれの子どもほど「非認知能力」が高く、その傾向は学年が上がっても続く。
・早生まれの子どもは遅生まれの子どもより、勉強や読書の時間が長く、学習塾に通う割合が高い。一方、外遊びや運動をする時間や、スポーツや音楽などの習い事をしている割合は低い。
・早生まれの子どもは「先生や友だちから認められていない」と感じていることが多く、対人関係の苦手意識が高い。
・早生まれの子どもは遅生まれの子どもより、勉強や読書の時間が長く、学習塾に通う割合が高い。一方、外遊びや運動をする時間や、スポーツや音楽などの習い事をしている割合は低い。
・早生まれの子どもは「先生や友だちから認められていない」と感じていることが多く、対人関係の苦手意識が高い。
ここでポイントとなるのが、最初に登場した「非認知能力」です。
先にあげた3点は全て、この非認知能力に関わります。この能力に注目して調査を見ていくと、違う景色が見えてきます。
早生まれの子が相対的に低いとされる非認知能力とは、どのような能力なのでしょうか。
「認知能力」がIQや学力などテストで測ることができる能力だとすると、非認知能力は、「自制心、意欲、協調性など、テストでは測れない(認知できない)けれども、生きていく上で重要な能力」と一般的に定義されます。
実はこの非認知能力は、「学力に加えて、将来の成功に関わる」ということが研究で明らかになっています。そうであるなら、「非認知能力をいかに伸ばすか」が、早生まれの子の子育てのポイントになりそうです。ちなみに山口氏の調査では、「統制性」「自制心」「自己効力感」という3つを「非認知スキル」として測定しています。
引け目を感じないように育てればいい
ここで一度、まとめておきましょう。
・認知能力:IQ、学力などの知的な力。知識、技能、思考力などが含まれる。
↓
測ることが可能。勉強や訓練で伸ばすことができる力。
・非認知能力:自制心、意欲、協調性など。自分や感情をコントロールする、目標に向けて頑張る、周囲と協力する力。
↓
測ることができない。親の声かけ、遊び、スポーツや芸術系の習い事、友だちとの関係などによって培われる。
早生まれの子の非認知能力が相対的に低いのは、低年齢では生まれ月による発育の差が大きいため、体格や運動面、活動面、コミュニケーションなど各場面で引け目を感じてしまうことが一因です。
でもそうであれば、その点を伸ばす活動や取り組みに力を入れればいい、ということになります。