幅広年代への包括的性教育
私は、性教育や性の健康に関する啓発活動を行うNPO法人ピルコンの代表として活動しています。
「性教育」と聞くと、生理用ナプキンやコンドームの使い方、性行為についての学習を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。また、性教育すること自体が「寝た子を起こす」などと言われ、子どもが性的関心を持つ前に教えると、性に興味を持ちリスクのある性行動につながるのでは? と言う人もいますが、本当にそうなのでしょうか。
世界的には、人や性のあり方が多様かつ平等であることを前提として、幼い年齢から性にかかわる幅広いテーマを包括的に学ぶ「包括的性教育(Comprehensive Sexuality Education ※)」が広がっています。ユネスコらが世界中の性教育を調査した上で『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』にまとめていて、「早期からの人権教育は幅広い性教育が自分を守る知識を増やし、性行動を慎重化させ、子ども・若者たちの生涯を通じた健康や幸せを促進する力につながる」ことがわかっています。
すでに世の中にはインターネットやSNSなどでさまざまな性情報が溢れています。中には有害で誤ったものもありますが、生殖や性交だけではなく、性の多様性、ジェンダー平等、コミュニケーションや暴力、情報リテラシーなども、幅広くより深く学んでいくことが必要です。
多様な性のあり方を尊重する社会へ
「包括的性教育」によって期待されることは、以下のような点があると言われています。
・誤った情報を減らすこと
・正確な知識を増やすこと
・ポジティブな価値観と態度を明らかにし、それを強めること
・正しい情報に基づく意思決定とそれに基づく行動のスキルを高めること
・友人や社会からの「こうあるべき」という価値観への意識を向上させること
・親や信頼できる大人とのコミュニケーションが促進すること
・正確な知識を増やすこと
・ポジティブな価値観と態度を明らかにし、それを強めること
・正しい情報に基づく意思決定とそれに基づく行動のスキルを高めること
・友人や社会からの「こうあるべき」という価値観への意識を向上させること
・親や信頼できる大人とのコミュニケーションが促進すること
また、「多様な性のあり方」を持つ人たちが、性別が二つしかないという価値観に基づいた(異性愛が前提の)性教育に、苦しさを感じていて心地よく学ぶことができないという課題もあります。
私は、多様な性のあり方を尊重する社会になることを切に願っています。